ニッポンの押しつけの上をいくローカライズ―東京ガールズコレクション

ファッションにほとんど興味がない自分でも名前くらいは聞いたことがある「東京ガールズコレクション」。ファッションショーには興味がないんですが、たまたま「TGC北京に見る、ニッポン・ブランドをローカライズする重要性」という記事を見つけ、「ローカライズ」というキーワードは気になるところなので読んでみました。これが面白かったのでメモっときます。


記事はこちら↓
TGC北京に見る、ニッポン・ブランドをローカライズする重要性


記事の書き出しで

日本では、ファッションへの興味がなくとも十分な知名度をもつ
ファッションショーが東京ガールズコレクション

と述べられていて、自分のことか!?と思いつつ読み進めると、今回の北京開催では、日本、中国、韓国、香港、台湾の5つの地域のモデルが起用されたことが紹介されていました。


これまでは日本人モデルが出演し、日本以外の4つの地域の人からは自国とは違うファッションブランドという認識だったのが「どんな地域であっても、自分にあったスタイルでファッションを楽しめる」という方向性で展開し、「地域を越えて共通する“憧れ”」として受け入れられたことが述べられていました。


日本のものをそのまま外国に持っていって、日本のものとして紹介するだけではなく、より包括性の高いコンセプトまで昇華しているのが興味深いです。


元々の「日本のリアルクローズを世界に」というキャッチフレーズでは、「日本」の「キレイ」と「かわいい」を世界に持っていくというコンセプトですが、それだけでなく「普段着をキレイでかわいくコーディネートできる」という日本だけにとどまらない万国共通のコンセプトを組み合わせることでコンセプトの適用範囲が広がっています。


もちろん、それによって、元々の日本の特性を活かすという部分は多少中和されてしまうのかもしれませんが、逆に日本だけにこだわっていても別の地域では受け入れられないように思います。


記事でも「“ニッポン”の単なる押しつけに見る限界点」として次のように述べられています。

ニッポン・ブランドのなかには、
日本独自の文化や伝統を重んじることが大切であり
そのままの形で世界へと発信していくことが重要な例もあります。


しかし、今回取り上げたように、
日常で身近な存在のファッションにおいて
“ニッポン”を単に押しつけても、流行は限定的です。


日本から生まれた「キレイ」「かわいい」というファッションは、
地域は違っても、同じ感覚に共鳴する世代に受け入れられてこそ
世界にリアルクローズを発信する意味がある。


本質はそのままに。消費者の側に立ってローカライズする。


今後も、多種多様なニッポン・ブランドが発信されていく上で、
東京ガールズコレクションの事例は、
発信者が選択肢として認識しておくべき視点といえるでしょう。

日本の製品やサービスの海外進出を考える際に参考になる事例だなと思うので心に留めておきたいと思います。


その他、青森リンゴ「大紅栄」の中国輸出の事例も紹介されていましたがこれも面白かったです。別に宣伝ではないですが、このメールマガジン結構面白そうなので購読してみます。