広く考えよう―対戦相手のボクサーにも目の不自由な妹がいたら?

だいぶ前にとっていた「シリーズ未来をつくる君たちへ 〜司馬遼太郎作品からのメッセージ〜」の第2回「信念を貫いて生きる 〜黒鉄ヒロシが語る勝海舟〜」をようやく見ました。


その中で、黒鉄ヒロシさんが語っていた固定観念の話が面白かったと言うか、確かにと思わされました。

「子供の頃、お坊さんがお葬式で家に来た時に意味なくおかしくないですか?これは酒場にいてもおかしいですよね。ゴルフ場でよくお坊さんに会うんですがやっぱりお寺で座っててほしいなと思うんですね。これは固定観念なんですよ。
 例えばボクサーで目の不自由な妹がいた。この妹のためにボクシングで戦う。賞金がかかってて、勝てばこの子の目の手術代が手に入る。そういうテレビドラマがあったときに、皆その選手を応援しますよね。この妹のために勝ってくれ勝ってくれ。けれども負けた方にも目の不自由な妹がいたらどうなるんだ。
 1つの正義しか無いと思いこむと必ず間違いのもとで、必ず正論がこっちにもあるっていうことですね。」

番組は、勝海舟が主題で、勝海舟は自分自身の正義にとらわれず、大きな枠組みで物事を考えていたということが語られていました。


例えば、幕臣としては徳川家を守るということを考えるのが普通だと思うんですが、それは徳川家という1つの正義でしかなく、もっと大きな視野、例えば日本という単位で物事を考えていた、ひょっとするとさらに大きな枠組で考えていたと(ながら聞きだったのであんまり正確じゃないかもしれませんが、そういうニュアンスだったと思います)。


その他にも、マズローの5段階の欲求とか、死へのおそれとか、そのへんを全部超越してたという感じで語られてました。本当だとすると、超人やんと思いましたが、勝海舟の奥さんが、勝海舟と一緒の墓には入りたくないと言われたというエピソードを聞いて、本当にそういう超越した感じやったのかもなーと思いました。


関連してちょっと思ったのが、今自分が携わっているサービスで競合についてどう考えるのか。自社サービス中心の目線だけで考えていたら、競合が増えたり、競合が良い機能を提供したりするとネガティブにとらえられます。でも、クラウドサービスを広げていくことは日本のためになると思えば、自社も競合もあわせて広まっていくことをポジティブに考えられる。


特に、クラウドで請求書や見積書を作成するサービス。最近競合サービスが増えてきてて懸念していました。でも、自社のことだけでなく、日本という視点からみたら、それは歓迎すべきことやと思い直しました。


今、日本では商慣習として、印刷した見積書・請求書に印鑑を押して提出することを求める会社が少なくなく、印影を見積書・請求書テンプレートに挿入する機能への要望が多いです。でも、見積書や請求書関連の業務をクラウド化してPDFでOKにした方がお互い効率が上がるはず。


あと、単純にサービス数が増えるっていうことは、ユーザーさんにとっては選択肢が増えるということですし、自分たちにとっては、常に改善を続けるための良い意味でのプレッシャーがかかるという点でも良いことやと思います。こういった観点から考えれば、日本でクラウド見積書・請求書サービスが増えていくのは歓迎すべきことやと思いました。


そんなことともつなげて見てましたが面白い番組でした。しかしすげえな勝海舟。ちょっと興味が出てきました。何か本を読んでみようかな。